法的再建とは、裁判所の関与・監督を受けて債務整理をし、再建を目指すことです。法的再建には、民事再生と会社更生があります。
尚、法的整理と言った場合には、再建型である民事再生・会社更生以外に、清算型である破産と特別清算が含まれます。
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法的再建のメリット
法的再建の最大のメリットは、多数決の原理で再生案を決定し、反対債権者であっても賛成多数の場合は拘束できることです。したがって、反対債権者が相当存在していたとしても、過剰債務の整理が可能となることです。
しかも、民事再生や会社更生においては、元本を含め90%以上の債務免除が認められ、しかも残10%の弁済(配当)については無利息で5年から最長10年間の分割払いとすることも可能ですので、過剰債務の処理としては絶大な効果を得ることができます。
また、法的再建の場合は、私的再建と異なり、裁判所の関与・監督の下、債権者間の公平性・公正性が確保されます。裁判所を通じた保全処分により債務の弁済が禁止されるなど、一部の債権者が抜け駆け的に債権の回収を図ることは出来なくなり、債権者間の手続の公平性が確保されることになります。
また、裁判所から弁済を禁止してもらうことで、逆に会社にはキャッシュフローが生まれ、事業再生のために用いることができます。
法的再建のデメリット
現在も、日本では、民事再生や会社更生といった法的再建について、「倒産」に近い受け止め方をされることがあります。そのため、取引先や仕入れ先、外注先、下請け先等に、いわゆる「信用不安」を招き、事業基盤が損なわれる恐れがあります。
現状と方針
私達は法的手段にとらわれず、様々な再生方法を活用していますが、弁護士だけができる民事再生は、資金繰りを好転させる上で、極めて効果的な手段であると断言できます。また、上記のデメリットに対しても、申立直後の債権者説明会の開催等により債権者に対しても迅速に対応することで「信用不安」を回避することが可能です。
一時は社長様自身が「先生、もうあかん・・・」と諦めかけていた企業様が、民事再生によって大幅な債権カットを実現し、事業を継続されている例がたくさんあるのです。