民泊事業の破産について自己資金で解決できた事例

 業種 民泊経営
従業員数 0名
 負債総額 約2000万円
 債権者数 約20名

業績の悪化

民泊事業を経営しており、一時期は多数の物件をオーナーから賃貸して転貸管理していた。もっとも、旧法時代のグレーゾーンの営業の中で、騒音やごみ問題等による苦情が近所から発生するとその物件から立ち退かなければならず、初期投資を回収するまでに退去を余儀なくされた物件が発生した。また、民泊新法の成立によって要件が厳しくなった結果、物件数が激減した。代表者の自己資金で補いつつ、何とか立て直しの兆しが見えた矢先、新型コロナウイルス感染症の影響によって売り上げが大幅に減少し、経営の継続が決定的に困難となった。

処理の内容

会社と代表者が破産した。相談時、会社にはほとんど資金がなかったが、相談を受けながら会社及び代表者の資産、生活状況の精査をすることで、代表者の今後の生活を考慮すれば継続が困難であった個人の保険契約があることが分かったことから、その保険の解約返戻金で会社及び代表者個人の破産申立費用、予納金を賄い、代表者個人の手元にも少しの自由財産を残すことができた。

ポイント

相談当初は、代表者は、破産申し立てのための様々な費用(弁護士費用、裁判所への予納金、物件の明け渡し費用等)の準備の目途が立っておらず、親族からの援助等を検討するなど、精神的に追い詰められた状況が見られたが、相談において会社及び個人の資産状況と生活状況を一緒に検討してアドバイスしたことで、維持すべき財産と、維持できない財産を洗い出すことができ、結果、自己資金で費用を賄うことができた。
物件については、家主と協議し、原状回復を全く行わないいわゆる居抜きの状態で明け渡しとすることに成功し、本来必要となったはずの高額の原状回復費用を節約することができた。また、その交渉状況について客観的資料が残るように工夫し、管財人に丁寧に説明することで、管財人の理解も得ることができ、問題とされることなく事案を完了することができた。

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