概要
業種 | 食品製造業 |
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従業員数 | 20名 |
負債総額 | 約4億円 |
債権者数 | 約100名 |
業績の悪化
大手取引先が自社工場を設立し、需要が減少した。また、原料高、燃料高によるコストを取引先に転嫁できなかったことにより急激に業績が悪化していった。
処理の内容
会社と代表者の双方の破産手続きを行った。他方、製造工場については、裁判所への破産申立前から積極的に購入希望者の内覧を受け入れ、管財人就任後直ちに工場を売却できるようにした。
その結果、勤務していた従業員の雇用は維持でき、代表者も工場長として勤務を続けることができた。
ポイント
会社に弁護士が介入し、破産の準備に入った場合、従業員は全員解雇し、製造工場は運転を停止するのが通常であり、本件もそのような方向性にて破産準備に入った事案である。
ただし、廃業直後から工場買取のオファーが多数あり、また、食品工場という性質上、休業期間が長期化すると、衛生面などから工場再開が難しくなることが予想された。
そこで、破産申立前から積極的に内覧を行うとともに、元従業員にも声をかけるなどし、管財人の下で速やかに工場が売却でき、希望する従業員も同じ工場での勤務を続けることができた。
また、代表者も工場長として勤務することができ、生活再建につながった。