業種 | 広告物・広告雑誌の制作・編集 |
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従業員数 | 約10名 |
負債総額 | 約8500万円 |
債権者数 | 約40名 |
業績の悪化
主に企業からの依頼を受け、PR誌やポスター等の営業用広告ツールの制作や、企業内の情報誌や社史等の制作・編集業務を行っていた。バブル前は10億円近い年商があったが、バブル崩壊後売り上げが減少していき、社会のペーパーレス化が進むと、さらに売り上げが減少した。
処理の内容
会社と代表者が破産した。相談時、自転車操業状態で現預金はあまりない状態であったが、翌月、翌々月入金の多額の売掛金が見込まれる取引サイクルであった。そこで、会社の廃業と共に受任通知を発送して債務の支払いを全て停止し、当事務所において売掛金を1400万円以上回収して、当該売掛金を原資として、従業員の未払い給与・解雇予告手当の支払原資、弁護士費用その他の申立費用、裁判所への予納金に充てた。
ポイント
会社のキャッシュフローは良くなかったが、廃業と共に当事務所が前面に出て、債権者対応だけでなく売掛先との対応窓口を行って丁寧に説明したことで、混乱することなくスムーズに売掛金を全額回収することができた。その結果、従業員に対する最終の給与及び解雇予告手当を全額支払うことができたと共に、弁護士費用その他申立費用を控除してもなお破産管財人に1000万円以上の財団を引き継ぐことができたため、破産手続きもスムーズに進んだ。
代表者については、多額のギャンブルによる借金があり、本来であれば問題視されてもおかしくない程度であったが、十分な調査を行ったうえで申立時に丁寧に状況を申告し、破綻の原因になったわけではないことや反省の姿勢を示すことで管財人の理解を得られ、裁量免責としてもらうことができた。また、自宅は妻名義であり、妻の固有財産であって代表者から不当に移転したものではないことを説明することで、問題とされることなく事案を完了することができた。