Q.会社を破産させる際に、優良な部門だけを残すことはできないでしょうか？
質問
会社の代表者です。会社を破産させるのですが，優良な一部門だけ息子に残してやることはできないでしょうか？
回答
会社を破産させる場合は，原則として，会社の資産は全て金銭に換価され，債権者に対する配当に回されます。また，破産直前の財産処分についても管財人は調査を行い，親族への資産の譲渡などがあった場合，その適否について厳しく精査が行われます。
したがって，優良な一部門のみを息子さんに引き継がせて事業を続け，自社は破産してしまうというのは簡単にはお勧めできません。
再生コンサルタント等を名乗る無資格の方がこのような強引な手法を行い，のちに破産管財人や債権者とトラブルになっている事例も見聞きしますので，ご注意いただきたいところです。
破産手続は，迷惑をかけた債権者に対して，「公平」「公正」を正当性に据えて，債務の返済を免れる手続である以上，親族にのみ不公平にかつこっそり不公正なことをしてはならないのは当然です。
もっとも，一定の手続を採ることで事業の一部門を残すことが可能です。
