債権者会議について

 民事再生申立代理人や破産した会社の破産管財人に対して,債権者の方から「『債権者会議』はいつ?」との問い合わせがなされることがあります。
 しかし,「債権者会議」という単語は法律上の用語ではなく,その意味も不正確ですので,今回はこれを整理したいと思います。

各種手続きにおける債権者会議

 まず,民事再生手続の場合,通常,申立直後に「債権者説明会」が開催されます。これは民事再生規則61条に規定があるものの,申立会社が開催する私的な集会で,裁判所が運営に直接関与しているわけではありません。場所も申立会社が民間の会議室を借りるなどして開催します。また,あくまで「説明会」なので,債権者が何かを決定するための会ではありません。
 もっとも,この説明会は再生の方針を説明し,事業継続につきご理解いただくためのものすので,非常に重要であり,申立会社の代理人弁護士はここで十分な説明を行わなければなりません。

 民事再生法の「債権者集会」は裁判所主催の集会で,場所も裁判所で開催されます。特に再生計画案の決議のための債権者集会は,民事再生手続のクライマックスといえるもので,この集会において再生計画案に対して債権額の2分の1以上かつ債権者数の過半数の同意が得られれば,再生計画が認可される運びとなります。債権者に議決権がある点,一般の方が言われる「債権者会議」のイメージに近いといえます。

 他方,破産手続においては,「債権者説明会」が開催されることは稀です。多数の消費者に損害が発生するような事案(英会話スクールの破たん事案など)では,破産開始直後に破産管財人によって開催されることがありますが,通常の破産事件では開催されません。
 また,破産手続で開催される「債権者集会」は破産管財人が債権者に配当の見込みなどを説明することを主たる目的としております。債権者の議決権が行使される場面も少ないといえ,「債権者『会議』」のイメージとは異なります。
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