介護事業所の破産の特徴を弁護士が解説

はじめに

介護事業所は、高齢化社会の進行により、高いニーズや市場を有していると言われています。しかし、介護職員の不足や人件費の高騰に伴い、必ずしも経営状況の芳しくない介護事業所も増加しております。
そのため、介護事業者の破産事件は増加傾向にあります。

介護事業者の破産の特徴

利用者さんの引き継ぎ

介護事業者には様々な種類がありますが破産の準備にあたっては、通所系、訪問系、入所系に分類するのが適切です。
特に、入所系の場合、ある日突然、施設廃止となった場合、入居者の皆さんの身体、生命に危険が及ぶ可能性があるからです。
同じ危険は、訪問系の介護事業者にもあてはまります。訪問系の介護事業者の中には独居の利用者さんから自宅の鍵を預かり、毎日訪問して、食事や入浴の介護を行っている場合がありますが、このような場合、突然廃業となってしまうと、利用者さんに食事など生きてゆくのに不可欠な介護が届かなくなってしまうからです。
そのため、破産準備にあたっては、利用者さんをどのように安全に引き継ぐかが重要な事項になります。
通常、弁護士が介入するまで破産の予定があることは、外部や従業員に知らせません。しかし、介護事業者の場合、利用者の皆さんを安全に引き継ぐため、ケアマネジャーなどにあらかじめ相談することが考えられます。
また、このような場合、行政が何らかの対応をしてくれるのではないかと考えがちですが、基本、行政側は、大きな問題が発生してからではないと、対応に乗り出してくれません。
当事務所では、破産の準備に入るに際しては、利用者さんの引き継ぎについて、その方法などを十分に検討し、引き継ぎができる体制を作ることに努めております。

M&Aの検討

特に、入所系の介護事業所の場合は、別の施設への転入居に時間を要する場合があります。他方、施設が破産準備に入った場合、施設職員である労働者は原則解雇となります。一般的は破産準備に入ったあとも、一部の施設職員さんにはアルバイトという形で残務や引き継ぎを行ってもらうことが多くありますが、それもいつまでもというわけにはいきません。
そこで介護事業所の破産に際しては、利用者引き継ぎのため、積極的にM&Aを利用し、施設、職員、利用者をそのまま引き継げないかを検討すべきです。
なお、M&Aにあたっては、譲渡代金が廉価であると判断された場合、事業の譲受先と破産管財人の間で紛争が発生する可能性がありますので、譲渡代金の設定については慎重に考えるべきです。

危険な兆候

介護事業所の破産準備にあたっては、利用者さんの引き継ぎのため、弁護士介入後も職員の方にお給料を支払い、暫くの間業務をしていただくことがあります。
また、関係者多数に及ぶことから、破産にあたっての裁判所費用(管財人引継金)も高額になりがちです。
そのため、介護事業者の破産にあたっては、それなりの現預金を確保しておいていただく必要があります。
もっとも、通常、介護事業所には介護保険からの支払いが毎月ありますので、その支払を待って、破産に必要な費用を捻出しうることが多いのです。
しかし、社会保険料や税金を滞納しており、介護報酬の差押がなされてしまったり、ファクタリング業者に介護報酬を債権譲渡しているような場合には、介護報酬を使っての破産費用の捻出ができなくなるおそれがあります。
そこで、介護事業所の経営者の皆様におかれましては、早い段階で弁護士に相談することをおすすめいたします。

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